設立の趣旨と経緯

三千本膠に代表される伝統ある和膠の製造が、最後に残った生産者の廃業により、2010年の冬を待たずに終了しました。数年前から生産の継続が不安視されていましたが、その懸念が現実のものとなってしまいました。

これを受けて、和膠の代替品製造に複数の業者が参入する動きもあり、ただちに絵画用膠が入手不可能になるという状況ではありません。 今後はそれぞれの製品の性格を知った上で使い分ける必要があります。また、保存性についてもこれから検証をしてゆかねばなりません。

膠は絵画制作だけでなく文化財の修復にも欠かせません。さらには家具や楽器製造など美術分野以外の利用にも歴史があり、世界の広い地域に生産と利用が分布しています。しかし、基盤的な研究や文化史的な研究はまだ十分とは言えません。

和膠の終焉は、ユーザーである作家、修理技術者そして研究者にも責任の一端があります。このようなことを繰り返さぬため、また今後持続可能な絵画材料としての膠を研究し、普及を図るために「膠文化研究会」が設立されました。 約2年前から各分野の専門家が膠についての情報交換を続けてきており、その活動を基盤としたものです。

この研究会は出来る限りユーザーとその現場に近いところで活動することを目指しています。 皆様のご指導、ご支援をお願いする次第です。

膠文化研究会

日本画や保存修復は伝統素材に依存している。和膠消滅のような事態を繰り返さないため、膠に関する継続的な研究、教育普及を図るため膠文化研究会を設立する。

科学的な研究と実技系の技法材料研究との連携によって、持続可能な絵画材料、修理材料としての膠の継承を目指す。

2011年10月2日


目的

  1. ユーザーの立場で膠文化、膠技法の研究と普及を図る
  2. 作家、研究者、修理技術者の情報交換と交流を図る
  3. 制作と修復分野、保存科学分野の連携研究を図る
  4. 膠の持続可能性に関する研究を行う
  5. 膠文化研究と膠技法の普及について国際的な連携・交流を行う





顧 問

森田 恒之東京芸術大学客員教授・国立民族学博物館名誉教授    

運営委員

稲葉 政満東京藝術大学大学院美術研究科教授
北田 克己愛知県立芸術大学美術学部教授・日本美術院同人
斉藤 典彦東京藝術大学美術学部教授
早川 典子東京文化財研究所保存修復科学センター主任研究員
荒井  経東京藝術大学大学院美術研究科准教授
半田 昌規国宝修理裝こう師連盟常務理事・半田九清堂代表取締役社長
宇高 健太郎東京藝術大学大学院美術研究科特別研究員




















膠文化研究会では新会員を募集します。

「膠文化研究会は膠文化の研究と膠技法の普及を目的とした作家、文化財修復技術者、研究者、教育者などによるユーザー団体です。」


<申し込み方法>

入会を希望される方は、以下のリンクから登録フォームをダウンロードし、膠文化研究会事務局宛メールでお申し込みください。


会員申込書(20KB)


<問い合せ先>
膠文化研究会事務局
eメール:nikawalabs@gmail.com




















ただいま工事中です。




















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